稲わら春すき込みに代えて家畜ふん堆肥を施用した水田におけるメタン発生の特徴と低減効果

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種類の異なる家畜ふん堆肥（牛堆肥区、豚堆肥区、鶏堆肥区）を稲わらに代えて土壌へ混和した水田からのメタン発生の特徴について、稲わら区（春土壌混和）を対照に、圃場試験およびポット試験で検討した。水田からのメタン発生量はクローズドチャンバー法を用いて測定した。豚堆肥区の土壌Ehは稲わら区と同じまたは早い時期に低下した。豚堆肥区では6月と8月上旬のメタンフラックスが増加したが、牛堆肥区と鶏堆肥区での増加量は少なかった。圃場試験によれば牛堆肥区、豚堆肥区、鶏堆肥区のメタン発生量はそれぞれ19.4〜26.5、35.6〜39.4、4.2gCH4／m2であった。稲わら区に比べて、牛堆肥区のメタン発生量は37〜51％、豚堆肥区は72〜121％、鶏堆肥区は14％であった。ポット試験によれば、施用炭素量に対し11〜40％のメタンが見かけ上発生し、施用された有機物由来の熱水可溶有機物合量はメタン発生量と関係が見られた（r（2）＝0.976；p＜0.01）。稲わらに代えて堆肥を施用することにより、水稲の生育、収量が増加する場合が多いことから、現行の堆肥施用量を減らしたうえで堆肥の易分解性有機物含量の多少に応じた水管理が、メタン発生量の低減に効果的であると考えられる。また、家畜ふん堆肥を代かきの12、25日前にすき込んだ場合のメタン発生量は、代かき直前（5月10日）施用に比べて78、82％であった。稲わらに代えて堆肥を施用した場合のコストは、メタン低減効果による炭素価格を上回ると試算された。
2010-03-00

稲わら春すき込みに代えて家畜ふん堆肥を施用した水田におけるメタン発生の特徴と低減効果

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