北海道日本海に回帰するシロザケ親魚の回遊経路と移動速度について
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概要
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1.北海道日本海に回帰するシロザケについて、北海道沿岸域における回遊生態に関する特性を得るため、2004、2005年にオホーツク海と日本海の沿岸域6カ所で行われた標識放流調査の再捕データを解析した。2.放流を実施した時期の漁獲尾数・河川捕獲尾数と再捕位置との対比、および常呂放流群に占める日本海系資源の構成比の数理モデルによる推定結果に基づき、日本海系資源の回遊経路は、オホーツク中部沖合から西部沿岸域、宗谷海峡を通り、日本海北中部系資源では沿岸域に、日本海南部系資源では沖合域にその中心があると考えられた。周辺の海洋構造に鑑みて年々の海況により沿岸漁場への加入率は大きく変動することが示唆された。3.沿岸域での移動速度は30〜40km程度の個体が多く、年齢や性別間には差がみられなかった。浜益放流群の再捕状況から、日本海の主要河川のひとつである石狩川水系千歳川の捕獲場には、石狩湾に加入後2〜3週程度を要して達する個体が多いことが分かった。ただし、成熟の進行が進んでいる個体は、沿岸回避、遡上の速度は比較的速くなることが示唆された。
- 北海道立水産孵化場の論文
- 2008-03-00
著者
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