噴火湾におけるヒドロ虫コノハクラゲの養殖ホタテガイ稚貝への共生と防除策
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
二枚貝中に生息するヒドロ虫コノハクラゲと主宿主ムラサキイガイおよびホタテ稚貝の生態学的関係を明らかにし、ホタテ稚貝への共生防除策を策定することが本研究の目的である。北海道噴火湾におけるコノハクラゲのホタテ稚貝への共生率の年変動は大きい(平均69.5〜9.3%)。共生期間は9〜2月で、共生の蔓延や終息は速く1〜2ヶ月程度で起こる。港内に生息するムラサキイガイでのクラゲ芽保持率のピークは7月、ホタテ稚貝への共生開始は9月で、約2ヶ月の開きがある。ホタテ成貝には共生しない事から共生源(感染源)はムラサキイガイと考えられるが、0齢のムラサキイガイには共生しない事から、ホタテの貝殻や耳吊りロープ上のムラサキイガイには共生していない。養殖施設等に生息する高齢のムラサキイガイが共生源と推測されるため、その駆除が有効な防除策と考えられる。
- 北海道立水産試験場の論文
- 2009-10-00
著者
関連論文
- 噴火湾におけるヒドロ虫コノハクラゲの養殖ホタテガイ稚貝への共生と防除策
- 北海道噴火湾における Dinophysis 属の消長および下痢性貝毒・脂溶性貝毒成分含有量の経時・経年変化(短報)
- 北海道北西沿岸における渦鞭毛藻Dinophysis属プランクトンの出現状況とホタテガイ下痢性貝毒毒力の経年変化
- 噴火湾における低次生産過程と貝毒プランクトンの中長期変動(シンポジウム:世界の沿岸海域における環境と生態系の長期変動)
- 北海道噴火湾の底泥における有毒渦鞭毛藻 Alexandrium spp. シストの鉛直分布
- ホタテガイMizuhopecten yessoensis稚貝のトリグリセライド含有量と干出ストレス耐性との関係
- 養殖作業ストレスによるホタテガイMizuhopecten yessoensis稚貝のトリグリセライド含有量変化
- 噴火湾における2006年秋の海底表面泥中の硫化物(AVS-S)の分布
- 台風の通過に伴う津軽暖流水の流入と噴火湾奥部静狩での沿岸環境の急変について
- 噴火湾におけるホタテガイ養殖の現状と適正養殖量推定のための諸課題
- 北海道オホーツク海沿岸域における地まきホタテガイの閉殻筋中のタンパク質量とグリコーゲン量の季節変化
- ホタテガイMizuhopecten yessoensis中腸腺リパーゼ活性の多試料分析
- 北海道オホーツク海沿岸域における地まきホタテガイ閉殻筋中のRNA/DNA比および酸性プロテアーゼ活性の季節変化
- 珪藻ブルーム後に出現する渦鞭毛藻の増殖と環境要因(シンポジウム:噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割)
- 噴火湾における有毒プランクトン, Alexandrium tamarenseのシストの鉛直分布,発芽活性およびシスト密度の季節変化
- 噴火湾産有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseの増殖に及ぼす水温および光条件の影響
- 時化が垂下養殖ホタテガイ稚貝のトリグリセライド含有量に及ぼす影響
- 網走におけるホタテガイ漁場の流動, 沈降粒子束とホタテガイの成長について
- ホタテ稚貝の短期飢餓に対するトリグリセライド含有量の変化
- 流水水槽におけるホタテガイの成長と生理活性に及ぼす流れの強さの影響
- 有毒渦鞭毛藻 Alexandrium ostenfeldii の核リボソーマルRNA遺伝子領域に見られる多型とLAMP法を用いた1細胞からの検出
- 簡略モデルを用いた噴火湾底泥AVS変化の検討
- 噴火湾におけるヒドロ虫コノハクラゲの養殖ホタテガイ稚貝への共生と防除策