イネ(Oryza sativa L.)大粒品種「秋田63号」の窒素施肥反応
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概要
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近年育成された大粒品種秋田63号は、千粒重が大きく、高い収量ポテンシャルを持つことから、大粒品種を活用した新たなイネ多収技術の開発が期待されている。本研究では、秋田63号の収量ポテンシャルを効率的に発揮させるための窒素(N)施肥法の基礎的知見を得るため、異なるN施肥法(前期重点[基肥、分げつ肥、穂肥、実肥:6、2、2、0 kg N/10a]、後期重点[4、0、4、2 kg N/10a]、均等[4、2、2、2 kg N/10a])が秋田63号の生育およびソース・シンクに与える影響を解析した。前期重点施肥法は分げつの発生を促進するが、その多くが無効分げつとなり、穂数増加への顕著な効果は認められなかった。また、前期重点施肥法では出穂期以降、Nが不足するため光合成能が低下した。後期重点施肥法では分げつの発生が緩慢であり、結果として穂数が他の区に比べ減少した。そのため、シンクサイズが最も小さく、収量は最も低い結果となった。均等施肥法は、他の施肥法よりも穂数、籾数が多く、N吸収能、登熟期の光合成能も優れ、最も高い収量となった。したがって、秋田63号の収量ポテンシャルを効率的に発揮させるためには、生育期間を通したN供給が必要であると判断された。
- 日本作物學會の論文
- 2009-10-00
著者
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