メチルイソチオシアネート液化炭酸製剤によるカシノナガキクイムシの駆除方法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ナラ類集団枯損被害における枯死木の有効な伐倒駆除薬剤処理方法を検討するため、30%メチルイソチオシアネート液化炭酸製剤(ヤシマ産業製エコヒューム、以下MITC剤)を使用した試験を段階的に実施した。処理方法は、ナラ類集団枯損被害により枯死したミズナラを伐採し、樹幹と伐根を生分解性シートやビニールシートにより天幕被覆した後、MITC剤を被覆内に投薬した。その結果、カシナガの殺虫率は、MITCガス濃度を農薬登録している180g/m3の2倍量にあたる360g/m3とすれば、処理2週後に約90%以上、1ヵ月後には約100%になることが明らかになったメチルイソチオシアネート(以下MITC)には殺菌効果があり、被覆内においては、ナラ菌等がMITCで殺菌されて結果として殺虫率が極めて高くなったと考えられた。以上のことから、ナラ類集団枯損被害の既往の駆除方法ではカシノナガキクイムシの殺虫率は90%であったが、本方法により約100%殺虫の伐倒くん蒸が可能になった。
- 2009-06-00
著者
関連論文
- ナラ類の集団枯損被害の枯死経過と被害に関与するカシノナガキクイムシおよび特定の菌類との関係
- 薬剤と接着剤によるナラ類集団枯損被害における枯死木の新たな防除の試み(2)
- 薬剤と接着剤によるナラ類集団枯損被害における枯死木の新たな防除の試み
- ナラ類集団枯損被害立木へのくん蒸剤注入によるカシノナガキクイムシとナラ菌の防除法の改良
- ナラ類集団枯損被害立木へのNCS注入によるカシノナガキクイムシとナラ菌の防除法の改良
- 秋採取したタラノキ保存穂木からの植物体再生
- ナラ類集団枯損の薬剤防除法
- ナラ類集団枯損におけるカシノナガキクイムシの加害特性と防除に関する一考察
- 山形県におけるカシノナガキクイムシの初発日の予測
- 防力ビ剤の樹幹注入によるミズナラの枯損被害防止
- メチルイソチオシアネート液化炭酸製剤によるカシノナガキクイムシの駆除方法