能取湖における風による貧酸素水塊の挙動特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
能取湖において数値シミュレーションで示されている貧酸素水塊の挙動と風力の関係を検証するため、2007年の9月下旬に現場観測を行った。平均風速は9月24日まで約4m/s以下であったが、25日から26日にかけて6m/sを超えた。水温、塩分および溶存酸素濃度の断面図は、18日と20日に等温、等塩分および等溶存酸素濃度線が最深部から岸にかけて上昇していたが、25日以降にはほぼ全層均一となった。これらの結果は、4m/s未満の南風により底層水が水深12mまで上昇すること、6m/s以上の南風で鉛直混合が発生することを示した数値シミュレーション結果をほぼ再現していた。1998年から2007年までの風速データを解析した結果、7月から9月にかけて平均風速が4m/s未満の日が45日以上連続する確率は非常に低いことが示された。平均風速データを注視することは、貧酸素水塊の発生を予察する指標になる可能性がある。
- 北海道立水産試験場の論文
- 2009-03-00
著者
関連論文
- 能取湖の水理特性と貧酸素水塊の上昇機構
- 能取湖における貧酸素水塊の分布特性(短報)
- 閉鎖循環式水槽におけるアマモ Zostera marina の長期育成
- 能取湖における風による貧酸素水塊の挙動特性
- 網走におけるホタテガイ漁場の流動, 沈降粒子束とホタテガイの成長について
- 能取湖の低次生産と貧酸素化(シンポジウム:北海道オホーツク海沿岸域と道東汽水湖群の海洋構造と生物生産過程)
- 能取湖における風による貧酸素水塊の挙動特性
- オホーツク沿岸海跡湖能取湖における一次生産特性─サイズ別クロロフィルaと溶存態無機窒素の動態─