飯田市遠山川流域におけるアカイシサンショウウオの記録
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概要
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アカイシサンショウウオは2004年に新種記載された日本産小型サンショウウオで、本州中部の静岡県と長野県にのみ分布することが知られている。本種は一見、ヒダサンショウウオに類似しており、新種として認められる以前はヒダサンショウウオの無斑型個体として扱われていた。しかし、アカイシサンショウウオの全長は150mm以下とヒダサンショウウオより小型で、背面は紫褐色で黄色斑点を持たない。また鋤骨歯列についてはヒダサンショウウオが深いU字型であるのに対してアカイシサンショウウオは深いV字型である等、明瞭な特徴を有しており、遺伝的にも両種は明瞭に区分される。既知の主要分布地は赤石山脈南部の標高500-1000m程度の森林地帯で、静岡県では大井川流域、長野県では天竜川水系遠山川流域が知られるが、本種の分布や生態については未だ情報が少ないのが現状である。一方、本種は分布域が局限されることから種の存続は危機的な状況にあると考えられており、環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類、長野県レッドデータブックで絶滅危惧IA類、静岡県レッドデータブックでは絶滅危惧IB類とされる。そこで、本研究では長野県内におけるアカイシサンショウウオの分布及び生息状況の把握を目的として調査をおこなった。
- 2009-03-00
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