絶滅危惧種ウシモツゴPseudorasbora pumila subsp. sensu Nakamura(1963)の生殖周期
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概要
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日本固有のコイ科魚類、ウシモツゴは環境省により絶滅危惧IA類に選定されている。本亜種の繁殖期について、中村はモツゴと同様、4月から7月としている。前畑ほかは屋外水槽での飼育観察から、産卵は水温が20℃を超える5月中旬に開始され、30℃を超える7月下旬に終息したと報告している。大仲ほかは、愛知県犬山市内のため池で連続採集法を用い、当歳魚の出現時期から本亜種の繁殖期は4月上旬から7月上旬と推定した。また、内山はウシモツゴとモツゴが同所的に生息していた岐阜県養老町のため池での調査結果から、ウシモツゴの産卵期は3月下旬から始まり、同所に生息していたモツゴより一ヶ月あまり早いと報告している。本亜種の減少は1970年代後半には指摘されている。絶滅に瀕する生物種の繁殖に関する知見を早急に明らかしていくことは、保全を行う上で重要である。しかし、本亜種では詳細な研究がなされぬうちに資源量が減少し、現在では研究目的での採集すら困難な状況である。
- 日本魚學振興會の論文
- 2009-04-00
日本魚學振興會 | 論文
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