日本赤十字社における男子看護人から看護婦養成への移行とその要因
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概要
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西南の役の際に創立された博愛社は日本赤十字社の前身である。博愛社創立当時の看護人は男子だけであったが、博愛社から日本赤十字社への移行期である1890年に看護婦の養成が始まった。男子看護人から看護婦養成への移行とその要因を明らかにするために、我が国の赤十字条約加盟への道をたどりながら、博愛社社員総会会議文、欧州赤十字社視察報告演説資料、第3回赤十字国際会議参加報告書など日本赤十字社の資料をもとに考察を深めた。看護婦養成への動きは、博愛社社員総会におけるフォン・シーボルト、柴田承桂、橋本綱常による「女子が赤十字社救護に適している」というそれぞれの発言がきっかけとなり、進展した。その発言内容によると、第一に、ヨーロッパ諸国において看護婦の養成はすでに始まっており、赤十字社業務の主要な部分を占めていた。第二に、ナイチンゲールのクリミアでの活動と主張が赤十字設立の思想をデュナンに与え、かつ、その思想の実現可能なことを確信させた。これらの発言内容が日本赤十字社設立の機運と重なり、看護婦養成への動きに繋がったのである。
- 日本赤十字豊田看護大学の論文
- 2006-03-31
著者
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