外来血液透析者のQOLの実態
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概要
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外来血液透析者のQOLを明らかにし、透析者のQOLの向上をはかることを目的に、福岡市近郊の透析施設5施設に通院している透析者を対象に質問紙調査を実施した。有効回答215名(有効回答率74.7%)。質問内容は、健康関連QOL尺KDQOL-SF[TM]、透析歴、併存症合併症(糖尿病、肝疾患、心疾患、骨柄変、その他の疾患)の有無、家族の協力者の有無。施設留め置き法で回収した。調査期間は、2002年8月20日〜2002年10月1日。透析者のQOL調査結果では、8下位尺度のいずれも国民標準値より低かった。その要因として、高齢化や透析の長期化に伴う合併症の存在が身体的機能を中心に大きくQOLを低下させていると考えられた。しかし、40歳代の精神的健康度が高く、健常人と変わらないことも明らかになった。下位尺度では、29歳以下、70歳以上、透析歴1年未満のRP、REが低く、身体的、精神的に日常役割機能の低下を強く自覚していた。また、すべての透析者は腎疾患による生活に対する負担を強く感じていた。骨病変、糖尿病、心疾患を有した患者は、身体的健康度におけるQOLが明らかに低く、また精神的な日常役割機能の低下も強く自覚していた。糖尿病患者はスタッフからの励まし、透析ケアに関する患者満足度が高かった。また、家族の協力がないことが、社会生活におけるQOLを低くしていた。また、年齢や透析期間、家族関係に合わせた支援、また合併症予防の重要性が示された。
- 日本赤十字九州国際看護大学の論文
- 2004-02-28
日本赤十字九州国際看護大学 | 論文
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