地域に生活する更年期の女性のQuality of Lifeに関する調査 : WHO/QOL-26によるQuality of Lifeの測定
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概要
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目的:近年わが国では高齢化の進行と相俟って,更年期から老年期にかけてのQuality of Life(QOL)の向上への関心が高まっている.更年期障害によって中高年女性のQOLが大きく損なうことが指摘されているが,QOLを客観的な指標を用いて評価したものは少なく,地域の更年期女性を対象としたものは見られない.本研究では,地域の更年期女性を対象に更年期障害とQOLとの関連を明らかにすることを目的とした.方法:宗像市(玄海町含む)の45〜55歳の女性を市報,ポスターなどで募集した.応募者に研究目的を説明し,同意が得られた人に2週間の間隔を空けて郵送による質問紙調査(kupperman更年期障害指数,WHO/QOL-26など)を行った.185名のうち対象の条件(人工閉経,更年期障害様症状を示す疾患を除く)を満たした156名(有効回収率84.3%)を分析対象とした.結果:pre-menopauseに比べてperiとpost-menopauseの更年期障害指数が有意(p<0.05)に高くなっていた.更年期障害指数の得点とWHO/QOL-26の得点との間には有意な負の相関があり,更年期障害指数が高くなるにつれて,QOLの低下がみられた.更年期障害が重症化するに連れて,身体領域,心理的領域,社会関係,環境すべの項目においてQOLが低下していた.更年期障害は女性の日常性生活に影響を及ぼし,生活の質を妨げていることが明らかになった.以上より,地域の更年期女性のQOLの高めることを目的とした支援システムの整備が臨まれる.
- 日本赤十字九州国際看護大学の論文
- 2004-02-28
日本赤十字九州国際看護大学 | 論文
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