高機能広汎性発達障害児をもつ母親の診断告知前および告知時の体験
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概要
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本研究は高機能広汎性発達障害児(以下, HFPDD)をもつ母親の診断告知に至るまでの体験と,診断告知時の体験についてその実態把握をおこなうことを目的とした。HFPDD児をもつ母親203名を対象に,診断告知前の体験として子どもの障害への気づきとそのきっかけ,育児ストレス,ソーシャルサポートについて,診断告知時の体験として診断告知満足度,診断手続きへの不満の内容,診断告知の時期について調査をおこなった。その結果HFPDD児をもつ母親は,子どもが乳幼児期のころに,主に言語面および社会性の問題において子どもの発達上の不安を感じていたが,診断告知を受けるまでに時間がかかっていた。また,診断告知前に母親が経験している育児ストレスは高く,家族や専門機関からの十分なサポートを受けていないことが示唆された。さらに,診断告知に対して不満を抱いていた母親もみられ,診断の根拠や障害の特徴について十分に説明されること,他機関への紹介,日常的な育児への助言などが求められていることが示唆された。
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