高機能広汎性発達障害児をもつ親の診断告知時の感情体験について--自由記述分析による予備的検討
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概要
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高機能広汎性発達障害児は,確定診断の困難さ,障害の見えにくさにより特徴づけられ,これによりその子どもをもつ親は特有の困難さを抱えることが指摘されている。本研究では,診断告知時に焦点を当て,高機能広汎性発達障害児をもつ親80名に対して自由記述による調査をおこない,診断時の感情体験の構造について探索的な検討を試みた。数量化III類により診断時の感情体験の構造と診断時の対応および確定診断の時期との関連について検討した。その結果,診断告知に対する否認や衝撃などのネガティブな感情を中心とする体験と,診断に対して安堵感や希望,前向きな気持ちなどのポジティブな感情を中心とする体験,不安や救われる気持ちをなどの両面的な感情を中心とした体験の3つの特徴的な感情体験が示唆された。また,ポジティブな感情体験は診断時の専門機関の対応のうち具体的な助言や共感的な態度などと関連し,ネガティブな感情は診断時の対応のうち診断の説明不足,非共感的な態度,他機関への紹介がないこととの関連が示唆された。さらに,診断を告知される時期との関連がみられ,乳児期に診断を受けている親は両面的な感情を,児童期以降に診断を受けている親はポジティブな感情を体験していることが示唆された。
- 神戸大学大学院総合人間科学研究科発達基礎論講座 : 神戸大学大学院総合人間科学研究科発達臨床論講座の論文
- 2009-00-00
著者
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