飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡における広帯域偏光ポラリメーターの開発
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概要
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これまでゼーマン効果を用いた詳細な太陽光球の磁場測定によって太陽現象には磁場が密接に関わっていることが明らかにされてきた。しかし偏光度の小さい彩層の磁場やゼーマン効果以外の偏光メカニズムについてはまだほとんど研究されていない。彩層の磁場観測(偏光度0.1%)やシュタルク効果を用いた電場測定、衝突偏光を用いた速度場の非等方性の測定など新しいプラズマ診断手法の開拓を行うため、私たちは高い波長分解能を持つ分光器が設置された飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡を用いて、広帯域(400>>1100nm)における任意のスペクトル線で高精度な偏光観測ができる偏光分光観測システムの開発を行った。本システムは口径60cmのドームレス太陽望遠鏡、連続回転できる超広帯域波長板、Wallaston prism、真空垂直分光器、大容量で高速に画像を取得できるCCDカメラ、赤外カメラで構成され、可視では約30秒、近赤外では約60秒で0.1%の偏光測定精度を達成できる。また、天体からの偏光を正しく測定するためには望遠鏡が生成する機器偏光を除去しなければならない。私たちは偏光板を用いて望遠鏡入射窓に既知の偏光を入射させ、様々な波長で焦点面における偏光状態を測定することで広帯域での機器偏光の特性を明らかにし、ミュラー行列を用いて望遠鏡の機器偏光モデルを構築した。
- 2013-04-13
著者
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