2008年に当院新規入院した脳内出血症例における背景調査
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概要
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2008年の当院脳神経外科入院患者数は855例で,脳血管障害患者は627例(脳梗塞:378例,脳内出血:127例,くも膜下出血・脳動脈瘤:113例,動静脈奇形・瘻:9例)であった.この中で,脳内出血127症例における背景調査を施行した.平均年齢は73歳(36‐98歳)で,男性77名(61%),女性50名(39%)であった.既往歴として心疾患は21%,糖尿病は20%で,本人あるいは(主要な)家人に高血圧既往の認識がある症例は63%であった.また,脳血管障害の既往歴としては,脳出血(つまり再発)が13%,脳梗塞が16%であった.この127例で,脳内出血発症時における抗血栓薬の服用について調査すると,抗血小板薬あるいは抗凝固薬を,少なくとも1剤以上服用している患者は全体の21%であった.内訳は,抗血小板薬単剤が16%,2剤併用が1%,3剤併用が1%であった.また,抗凝固薬の服用は4%で,抗凝固薬と抗血小板薬の併用は2%であった.抗血小板薬を内服していた25例と,抗凝固薬や抗血小板薬を内服していない100例について,出血部位,サイズ,転帰等について比較検討を行い,若干の文献的考察を加えて報告する.
- 2011-03-25
著者
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