糖尿病の新しい治療薬 インクレチン関連薬
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概要
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インクレチン関連薬の登場で2型糖尿病治療は新しい時代を迎えている.インクレチンとは,食事摂取に伴い消化管から分泌され,膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するホルモンの総称であり,これまでにglucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)とglucagon-like peptide-1(GLP-1)の2つが確認されている. 日本においても2009年12月よりインクレチン関連薬として,インクレチンの分解酵素であるdipetidylpeptidase-4(DPP-4)を阻害するDPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の2 種類が臨床で用いることが可能となった. 当科においてもDPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬を使用しているがDPP-4阻害薬投与症例の検討ではHbA1c を一年間で約0.8%低下させるものの,その効果は男性に比べ女性では弱いという結果であった. インクレチン関連薬は低血糖リスクが少なく体重増加をきたさないことやインスリン分泌促進以外の優れた膵外作用を有するという利点をもつ反面,膵炎や免疫系への悪影響への懸念も残されており,使用に際しては十分な観察と注意が必要である.
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