森林資源の循環利用によるきのこ栽培に関する研究
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概要
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ハタケシメジ「みやぎLD1号」の菌床調製コストの低減とナメコ廃菌床の地域内資源循環を狙い、菌床培地基材にナメコ廃菌床を利用する試験を実施した。培地基材であるスギおが粉をナメコ廃菌床に置換する割合を高めるに従って培養日数は長くなるものの、育成日数の短縮及び収量・食物繊維量の増加が確認された。廃菌床置換割合を25%(25%リサイクル培地)に固定し、培養期間の長期化を克服するため粉炭(土壌改良用炭素)を添加した培地による栽培試験を実施したところ、培地の乾燥重量比で3%の粉炭を添加した試験区では、培養期間が対照区より約8日間短縮し、粉炭添加に伴う培養期間短縮効果が確認された。また、収量は1.4倍となり、栽培コストも通常原価の範疇に収まることから、実用レベルでの採用も可能と考えられた。菌床調製コストの低減等を目的に、ナメコ廃菌床の利用可能性の拡大を視野に入れて、乾熱乾燥処理(150℃〜200℃)した廃菌床を培地基材に用いたヒラタケ栽培試験を実施した。その結果、乾熱乾燥廃菌床の添加割合が高くなるに従い培養日数は長くなるものの、子実体発生量は増加する傾向が認められた。収量・栽培サイクル等を総合的に考慮すると、置換割合が培地基材(スギおが粉)の50%程度までは実用化可能と考えられた。
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