テンサイ自殖系統間F1におけるヘテロシス評価と祖先品種が収量および品質へ及ぼす影響

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わが国で育成されたテンサイの自殖系統61系統の収量形質を調査した結果、全ての形質において大きな変異が認められた。そこで、自殖系統間の交配F1の収量および有害性非糖分について中間親および優良親との関係を調査したところ、根重および糖量にはヘテロシス効果が明らかに認められた。自殖系統間F1の交配組合せでは、根重および糖量において期待される中間親ヘテロシスの大きさは、約O.8±0.2であった。また、根中糖分、NaおよびKについては、中間親に近い値を示し、これら形質については、親の値からF1の値を概ね予測できることがわかった。一方、α－Nについては、遺伝性は判然としなかった。収量および品質について、育成自殖系統と祖先品種との関係を明らかにする目的で、収量および品質を変量とする主成分分析を行った。その結果、育成系統の収量および品質には祖先品種の影響が大きいことがわかった。このうち、高糖・高品質の系統は、「TA15」および「TA30」に由来する系統が多く、これら系統を一代雑種育種の親系統に利用することが、高糖・高品質系統の育成に重要である。しかし、高糖・高品質育種では、少数の特定の遺伝資源の系譜に由来した系統を利用する必要があり、根重や糖量にみられるへテロシスの発現は制限される。

テンサイ自殖系統間F1におけるヘテロシス評価と祖先品種が収量および品質へ及ぼす影響

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