ロールベールサイレージの再貯蔵処理が発酵品質,微生物相および好気的変敗に及ぼす影響

概要

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本研究では，ロールベールサイレージを細断して気密性の高いサイロへ再貯蔵した場合のサイレージ発酵品質，微生物相およびサイロ開封後の好気的変敗に及ぼす影響を検討した。水分含量が53％～60％で発酵品質の良好なイタリアンライグラス1番草ロールベールサイレージを調整して30日後に細断してドラム缶サイロに再貯蔵した。これらのドラム缶サイロは，0,1,3,5,7,10,30,60及び90日後に開封し，サイレージ発酵品質，微生物相および好気的変敗の程度を調査した。その結果，再貯蔵中に乳酸含量がやや減少し，酢酸含量が増加したものの，pHの上昇や酪酸の生成などのサイレージ発酵品質の低下は認められなかった。また，酵母数が再貯蔵中に減少し，開封後の温度上昇は抑制された。以上の結果から，細断された良好な発酵品質のロールベールサイレージを気密性の高いサイロに再貯蔵すると，サイレージ発酵品質を良好に保ちつつ，好気的変敗を防止できることが示された。
農業技術研究機構畜産草地研究所の論文
2003-12-00