オオムギ縞萎縮病がビール大麦の収量および麦芽品質に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オオムギ縞萎縮病ウイルスⅠ・Ⅲ型系統の常発圃場と無発病圃場に、Ⅰ・Ⅲ型系統の両方に抵抗性のビール大麦品種(抵抗性遺伝子ym3を単独またはym3とym5を共に持つ)とⅠ型系統にのみ抵抗性の品種(ym5のみを持つ)及び罹病性の品種(ym3もym5も持たない)を播種し、収量と麦芽品質に及ぼす影響を調査した。3カ年試験した結果、Ⅰ・Ⅲ型系統に抵抗性のスカイゴールデンと関東二条34号は、常発圃場が肥沃であるため子実重が23%、24%それぞれ増加したのに対し、罹病性のあまぎ二条は稈長が23%、穂数が52%と著しく減少し子実重は60%減少した。Ⅰ型系統のみ抵抗性のタカホゴールデン、ミカモゴールデンはあまぎ二条ほど稈長、穂数が減少せず、子実重がそれぞれ12%、20%減少した。発病が麦芽品質に及ぼす影響について、粗蛋白含量は常発圃場で、罹病性・抵抗性のいずれの品種も極端に高まったため不明瞭であったが、罹病性のあまぎ二条では麦芽エキスの減少と、麦汁粘度の上昇が明らかになった。タカホゴールデン、ミカモゴールデンの品質低下はあまぎ二条より小さかった。以上の結果から、ビール大麦の高品質安定多収生産のためには、Ⅰ・Ⅲ型系統抵抗性品質の育成と普及が重要である。
著者
関連論文
- 80 栃木県及び山口県で見いだされたオオムギ縞萎縮ウイルス系統(品質/リモートセンシング・モデリング/その他,日本作物学会第225回講演会)
- 我が国のビール大麦品種におけるリポキシゲナーゼ活性の変異と新たな活性欠失突然変異系統の作出
- オオムギ縞萎縮病がビール大麦の収量および麦芽品質に及ぼす影響
- C203 イナズマヨコバイによる水稲の被害の可能性
- 移植時期の異なる水稲におけるイナズマヨコバイの被害解析
- 栃木県における農業用水の水質実態およびその経年変化
- イネ品種「あさひの夢」におけるイナズマヨコバイの被害解析
- 原麦全β-アミラーゼ活性による高ジアスターゼ力系統選抜方法の開発
- 二条大麦「スカイゴールデン」の溶け特性
- 水田による生活排水の水質浄化
- ビール大麦の高品質化育種--タンパク質分解の制御と品質中間母本系統
- メタロチオネインの重金属結合能解析
- オオムギ縞萎縮病がビール大麦の収量および麦芽品質に及ぼす影響