右乳癌と傍腹部大動脈悪性リンパ腫の同時性発症を来した1例
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概要
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雑誌掲載版症例は46歳女性。右乳腺の疼痛を主訴に当院を受診した。触診上腫瘤を触知しなかったが、マンモグラフィ上右乳腺C領域中心にカテゴリー5の区域性微細石灰化を認め、生検を行った結果乳管癌であった。全身検索では、腹部CT上膵頭部背側に最大径8cmの内部均一な腫瘤を認めたが、乳腺組織所見上非浸潤癌の可能性が高かったことから、傍大動脈リンパ節への単独転移の可能性を否定し、乳腺病変の切除を先行した。腹部病変については開腹生検も考慮したが、患者の同意を得られず組織学的診断は得られなかった。しかし、血中可溶性IL-2受容体値の上昇や画像所見より悪性リンパ腫と診断し、CHOP療法と放射線照射を施行したところ著明な縮小が得られたが、回盲部腸間膜に再発し切除の結果、診断が確定した。乳癌と悪性リンパ腫の重複症例では同時性発症はまれである。本症例に関して文献的考察を加え報告する。
- 2007-06-00
著者
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