後漢時代における為政者による顕彰
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概要
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後漢時代に墓碑を中心に立石が流行する。それは門生・弟子・故吏や子孫が故主や父祖に対して立てる場合が多いが、実は中には為政者が立てさせた例も見いだされる。また立碑以外にも、死に際してさまざまな賜与が行われている。こうした行為を広く顕彰行為と見るならば、門生・故吏らによる下から上への顕彰が流行する背景として、上から下への顕彰(賜与)の風があったと思われるのである。いつの時代も国家による顕彰活動はある。それは当然政治的目的があってのことであるが、後漢においては前代に比してかなり活発な顕彰活動が行なわれているように見える。本稿では、立碑の流行の意味を考えるためにも、そうした為政者による顕彰行為の実態と背景について考察してみたい。
- 奈良大学史学会の論文