宮沢賢治文学における地学的想像力(10) : 基礎編・「盛岡附近地質図」の検証 -飯岡層の扱いを中心に-
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概要
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本稿は「宮沢賢治文学における地学的想像力」というテーマの下に企図された、連作論文の一つである。これまで、(一)「基礎編: 珪化木(I)及び瑪瑙」(「文学部紀要」文教大学文学部第21-2号)、(二)「基礎編: 珪化木(II)」(「言語文化」第20号、文教大学言語文化研究所)、(三)「基礎編: 〈まごい淵〉と〈豊沢川の石〉」(「注文の多い土佐料理店」第12号、高知大学宮沢賢治研究会)、(四)「応用編: 楢ノ木大学士と蛋白石、発展編: ジャータカと地学」(「文学部紀要」文教大学文学部第22-1号)、(五)「応用編: 修羅意識と中生代白亜紀」(「文学部紀要」文教大学文学部第22-2号)、(六)「応用編: 第三紀泥岩と影―朔太郎的不安との類似性―」(「文教大学国文」第38号)、(七)「基礎編: 『〔地質調査ルートマップ〕』の検証(その1)―『五間ヶ森』とその周辺―」(「文学部紀要」文教大学文学部第23-1号)、(八)「応用編: 『岩頸』意識について―〈現実〉と〈心象〉―」(「文学部紀要」文教大学文学部第23-2号)、(九)「基礎編: 安山集塊岩―花巻農学校での土性調査実習にからめて―」(「宮沢賢治研究annual」No.20)を発表している。本稿では、盛岡高等農林二年の実習で行った盛岡付近の地質調査に焦点をあてる。賢治における地質学の実際を追調査し、地質学徒としての賢治の姿を確認する作業を通じ、後年展開される賢治の文学活動に、新たな視点を見出そうとする試みである。
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