地域住民に対する尿失禁予防・対処活動継続のためのカレンダー表の実施率と評価
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概要
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本研究の目的は,地域住民に対して,尿失禁予防・対処活動を継続するためのカレンダー表を配布し,その記載と活動の実施状況, その評価を明らかにすることである. 対象は A市開催の介護予防講座の尿失禁予防講演会に参加した住民 100人とした. 方法は, 第一段階として, 講演会参加者に対して骨盤底筋体操, 水分摂取の工夫,便秘予防の 3カ条を 1ヶ月間実践してもらうカレンダー表を渡し,郵送返信してもらった.つぎに,第二段階として,第一段階のカレンダー返信者に対して,骨盤底筋体操実施の有無だけを記載する 3ヶ月間のカレンダーを郵送した.結果,第一段階での返信者は 20人であり,1ヶ月間 (30日間)3カ条すべてを実施した日数の割合は 30日間の 61.8±29.8%を占めた.また,排尿症状をもつ者でそれが改善した者が 4人いた.第二段階での返信者は 10人であり, 3ヶ月間における実施した日数の割合は 90日間の 78.7±17.0%であり, 排尿症状をもつ者での改善者は 5人いた. 以上のことから, 予防活動継続のためには目的と活動の項目を絞ったカレンダー表の戦略が有効である. The purpose of this study was to describe the implementation and evaluation of an exercise calendarprogram for community residents to prevent and cope with urinary incontinence. The subjects of thestudy were 100 residents who attended a presentation on urinary incontinence prevention in“A”city. Inthe first stage,one-month exercise calendars were distributed to the participants to perform three activities(pelvic floor exercise,fluid intake,and prevention of constipation),and were returned by mail. In thesecond stage,3-month exercise calendars for pelvic floor exercise were mailed to the respondents. Therewere 20 respondents in the first stage, and all the three activities of the one-month program werecompleted in 61.8±29.8% of the 30 days. Four persons improved their urinary symptoms after the firststage. There were 10 respondents in the second stage,and the three-month program was implemented in78.7±17.0% of the 90 days. Urinary symptoms were improved in five participants after the second stage.These results suggest that focused objectives and strategies with a limited number of activities are effectivefor continuation of the urinary incontinence prevention program.
- 2010-08-01
著者
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