マウスautoimmune regulator (aire) タンパク質の局在に関する組織学的解析
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概要
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近年、多腺性自己免疫性内分泌不全症Ⅰ型 (APECED) の原因遺伝子 aire のノックアウトマウス解析において、卵胞が欠損することが報告された。このことから、生殖巣においてAIRE が何らかの働きをしている可能性が考えられる。しかしながら、AIRE の発現は非常に微量であり、胸腺や脾臓以外の発現部位に関する報告は一致していない。そこで、本研究では、免疫蛍光抗体染色により、生殖巣及び胸腺におけるAIRE 発現及びその局在を組織学的に検討した。その結果、生後1週齢のマウス胸腺及び生後8週齢のマウス卵胞からAIRE タンパク質が検出された。これらの組織においては、AIRE タンパク質が細胞核内でNuclear dots(核内において形成される点状構造)を形成していることが確認され、マウス卵巣においてAIRE が何らかの働きをしていることが示唆された。なお、マウス胚盤胞期胚の内部細胞塊においてAIRE発現がみられたという報告があることから、ES 細胞におけるAIRE 発現の有無についても検討したところ、AIRE タンパクが検出され、細胞核内において形成されるNuclear dots も観察された。このことから、ES細胞においてもAIRE が何らかの機能を果たしている可能性があると考えられる。
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