PETによる前立腺癌の評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
前立腺癌症例54例および前立腺肥大症6症例を対照群とし,FDG-PETを施行した.FDG-PETによる前立腺癌病巣の検出率は,原発巣において70%であり,又,転移巣の検出精度も従来の画像診断法を凌駕するものではなかった.前立腺癌の早期発見や転移巣の検出目的ではその有用性は低いと考えられるが,前立腺原発巣におけるFDGの集積を定量的に評価・解析すると,その測定値(SUV)は,組織学的悪性度・臨床病期・PSA等の臨床病理学的パラメーターと相関を示した.又,内分泌治療後のFDG-PETでは,細胞増殖活性の低下を反映してSUVの有意な減少を認めた.更にSUVが高値の症例は治療後の再発・再燃の可能性が高いことも示唆された.以上の結果から,FDG-PETにより前立腺癌の生物学的悪性度を評価することが可能と考えられ,予後予測因子としての有用性が示唆されたThe clinical usefulness of 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDG-PET) was examined in 54 patients with prostate cancer. FDG accumulation was positive in 38 of 54 the prostates (70%), 3 of 8 the lymph node metastases (38%) and 10 of 16 the bone metastases (63%), which suggested that FDG-PET is not superior to other conventional imaging methods as a tool for tumor detection. On the other hand, a quantitative value for FDG uptake in the prostate, expressed as a standardized uptake value (SUV), significantly correlated to the histological grade, clinical stage and serum PSA of the patients. A decrease of SUV was observed in all the patients who responded to endocrine treatment, and the patients with high pre-treatment SUV were shown to be at the risk for disease progression after initial treatment. The present results indicated that FDG-PET could provide us with useful prognostic information for the patients with prostate cancer by evaluating the malignant potential of the tumor.
著者
関連論文
- 限局性前立腺癌の対処をめぐって
- 進行前立腺癌の治療について : 進行尿路***癌の治療の諸問題 : 転移巣の治療を中心に : シンポジウムI : 第43回中部総会
- Id2遺伝子欠損マウスに発症する先天性水腎症の分子生物学的解析(第93回日本泌尿器科学会総会)
- 分化抑制因子Id2欠損マウスにみられる水腎症の病理解析
- 北陸腎癌登録(北陸泌尿器科研究会)における早期集計結果(1997-1999)
- 前立腺癌株PC-93を使ったSCIDマウスの骨転移能の検討
- 北陸地方における精巣腫瘍の発生頻度およびその治療成績
- 前立腺肥大症術後の転帰に影響する因子についての臨床的検討
- 膀胱憩室内にみられたNephrogenic adenomaの2例
- PETによる前立腺癌の評価
- α_1-アドレナリン受容体拮抗薬KMD-3213の摘出ヒト組織における前立腺選択性
- ラット膀胱化学発癌に対する臓器摘出による促進効果の検討
- 前立腺癌患者に対するFDG PETの予後予測因子としての検討
- 高齢男性における膀胱刺激症状と年齢,前立腺体積との関連性
- 精巣腫瘍に対する高位精巣摘出術および化学療法・放射線療法後の精神的, 社会的, 性的活動性に関する考察
- 勃起障害を主訴とした脊髄腫瘍の経験
- 静脈塞栓
- 前立腺癌の成因・自然史・疫学 (特集 前立腺疾患治療のストラテジー)
- 早期の敗血症性ショック, 汎発性血管内凝固症候群による急性心筋梗塞を主徴としたレジオネラ感染疑診例
- ヒト前立腺組織における肝細胞増殖因子 (HGF) とその受容体である c-MET の発現の意義について : 第86回日本泌尿器科学会総会
- 腎細胞癌の病期分類 : 新しい TNM 分類の妥当性に関する検討
- 前立腺癌の FDG-PET 診断 : 特に内分泌療法に伴う FDG 集積の変化について
- 膀胱憩室内nephrogenic adenomaの1例 : 第359回北陸地方会
- 移植腎の機能評価における^Tc-MAG_3の臨床的有用性の検討 -^I-OHとの比較-
- ヒト前立腺組織におけるc・Met mRNAの競合的PCRによる定量
- 前立腺の分子生物学的研究の可能な効率の良いRNAの抽出法
- 保存的治療を行った高度腎外傷の2例
- 精巣捻転症の臨床的検討
- 尿路感染症分離菌の検討 : 福井医科大学泌尿器科における10年間の推移
- 尿道狭窄ラットにおける Major Pelvic Ganglion (MPG) ニューロンの形態学的変化とその可逆性について : 第80回日本泌尿器科学会総会
- 福井医科大学における前立腺癌の治療成績 : 第354回北陸地方会
- 腫瘍径からみた腎細胞癌の予後、マーカー、組織像に関する検討
- FACE (fluorophore-assisted carbohydrate electrophoresis) によるヒト腎癌組織中の糖鎖分析
- FACE (Fluorophore-Assisted Carbohydrate Electrophoresis) によるヒト腎癌中の糖蛋白の糖鎖
- 腎シンチグラフィーによるESWL後の腎障害についての検討
- カテーテル留置複雑性尿路感染症における細菌biofilmの検討 : 一般演題 : 第43回中部総会
- 腹腔鏡手術を施行した尿管異常開口の1例 : 第360回北陸地方会
- 福井医科大における埋没陰茎の手術法について : 第359回北陸地方会
- 術前診断にメトクロプラミド試験が有用であった褐色細胞腫の1例 : 第358回北陸地方会
- 虫垂を用いたContinent Cystostomyの1例 : 第357回北陸地方会
- 術後3年を経過して起こったKock氏回腸膀胱窄孔の1例 : 第356回北陸地方会
- 精巣腫瘍の臨床的検討
- 局在性前立腺癌の診断におけるPSA、PSA-density、PSA/γ-セミノプロテイン比の比吸検討
- 未治療前立腺癌に対するFDG-PETの診断的意義 : PSA、grade、stageとの関連性
- 直腸内サーフェスコイルを用いたプロトン磁気共鳴スペクトロスコピー(^1H-MRS)による前立腺病変の評価
- 原発性精索悪性間葉腫の1例 : 第357回北陸地方会
- 福井医科大学における尿道外傷の治療経験 : 第355回北陸地方会
- BCG 膀注療法後急速に病勢が進行した膀胱癌3症例の検討 : シンポジウム : 泌尿器科癌の化学療法における biochemical modulation の現況 : 第42回中部総会
- ^P Magnetic resonance spectroscopyによるラット精巣機能障害の評価 : 第80回日本泌尿器科学会総会
- 前立腺肥大症に伴う膀胱障害の検討 : 第80回日本泌尿器科学会総会
- 尿路感染症に対するNM441の臨床的検討
- 長期透析患者にみられた後腹膜腔出血の1例
- 対側副腎転移をきたした腎細胞癌の1例 : 第360回北陸地方会
- 福井医科大学における尿路MRSA感染の検討 : 第356回北陸地方会
- ITPを合併した慢性腎不全患者におけるerythropoietin (rHuEPO) に起因すると考えられた骨痛の1例
- 腎細胞癌の手術前後における血中HGF測定とその意義
- BCG膀注療法後急速に病勢が進行した膀胱癌3症例の検討
- 腎周囲脂胞肉腫の1例 : 第355回北陸地方会
- 前立腺癌のレクチン組織化学による検討
- 静脈性インポテンスにおける Inverventional Radiology : インポテンスの外科療法
- 腎細胞癌の組織分類の検討 : 腎癌取扱い規約における問題点について
- 投与設計と薬効薬理(XIV)モルヒネの生体内動態(3)モルヒネの鎮痛有効濃度域の上昇と臨床検査値の推移
- Interstitial cystitis(IC)に対する膀胱内ヘパリン注入療法の有用性