Anorexia nervosa(神経性食思不振症)に合併した尿酸アンモニウム結石の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は20歳頃より過食症,習慣性嘔吐で通院中の27歳女性で,近医での腹部CTで偶然に右腎結石を発見され,紹介来診して検査所見から右腎サンゴ状結石の診断にて入院となった.入院時検査所見から低K,低Cl性アルカローシスが認められ,塩化カリウム製剤の内服を開始した.過食症,習慣性嘔吐に対しては精神科にてanorexia nervosaの診断で抗不安薬等による治療を開始した.右腎サンゴ状結石に対しては第20病日に経皮的腎切石術を施行し,得られた結石の成分は塩化アンモニウム100%であった.第38病日に略治退院となり,外来通院となった.退院2週後の排泄性腎盂造影(DIP)で右腎に6×4mmの結石陰影と下部尿管に残石がみられたため,2ヵ月後にanorexia nervosa増悪のため精神科入院中にESWLを施行し,4ヵ月後のDIPでは残石は認められなかった.本症例はその後,anorexia nervosaがさらに増悪して半年後に変死体で発見されたA 27-year-old woman had been suffering from bulimia and habitual vomiting for about 7 years and was incidentally found to have right renal stones by computed tomography. She was referred to our hospital for the treatment of these caluculi. On admission, she presented with hypokalemia, hypochloremia and metabolic alkalosis and was diagnosed with anorexia nervosa. Following successful removal by percutaneous nephrolithotripsy and extracorporeal shockwave lithotripsy the stones were found to consist of pure ammonium urate. Since the urine of an anorexia nervosa patient tends to be rich in uric acid and ammonium, anorexia nervosa seems to be associated with ammonium urate urinary stones.
著者
関連論文
- OP-417 市立豊中病院におけるTUEBの経験 : モーセレーターを使用しない場合の最適な手術手技とは(BPH/経尿道的手術2,一般演題口演,第97回日本泌尿器科学会総会)
- PP-492 前立腺肥大症に対するα1遮断剤単独療法および抗アンドロゲン剤併用療法の比較検討(前立腺肥大症/診断・薬物療法2,一般演題ポスター,第96回日本泌尿器科学会総会)
- 有痛性腫大を主訴とした停留精巣腫瘍の2例
- 食道癌原発転移性腎腫瘍の1例
- Pseudoaneurysmを形成し著明な嚢胞性変化を伴った腎血管筋脂肪腫の1例
- 腎盂尿管腫瘍の免疫組織学的検討
- 絞扼性尿道脱の1例
- Anorexia nervosa(神経性食思不振症)に合併した尿酸アンモニウム結石の1例
- ESWLにより砕石し経尿道的に摘出しえた尿管瘤内結石の1例
- 術後補助療法としてInterferon(IFN)γを用いた腎細胞癌の臨床的検討
- 80歳以上の高齢者泌尿器科手術の臨床的検討
- 両側副腎褐色細胞腫の1例
- PP-262 PSA検診過疎地大阪府豊中市における「前立腺癌診断連携パス」導入の試み(発表・討論,一般演題ポスター,第98回日本泌尿器科学会総会)
- OP-230 前立腺生検におけるMRI拡散強調像の有用性について(前立腺腫瘍/診断・マーカー4,一般演題口演,第98回日本泌尿器科学会総会)
- 進行性上部尿路腫瘍術後におけるadjuvant chemotherapyの臨床的検討
- 当科における副腎腫瘍手術症例の検討 : 一般演題 : 第43回中部総会
- 化学療法と放射線療法でCRになった後5年目に再発し膀胱全摘術を行った浸潤性膀胱癌の1例