ハイリスク膀胱がんの自然史
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概要
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膀胱発癌物質であるBBNによる実験的につくったマウスBBN膀胱癌,砒素膀胱癌の本態,チェルノブイリの原子力発電所事故による放射能汚染地区住民に発生した膀胱病変について概説し,ハイリスクな膀胱癌の自然史を鳥瞰的に解説した.マウスBBN膀胱癌ではp53は癌のプロモーション,プログレッション過程に重要な役割を担い,浸潤性膀胱癌は多中心的に発生する.有機砒素のDMAはラットに膀胱癌を発生させるが,ラット膀胱癌におけるp53変異は発癌物質によって異なる.チェルノブイリ膀胱病変は持続的な放射能曝露によるもので,p53異常や酸化的ステレスの関与,ユビキチンシステムの亢進がみられるIn this paper, we report on invasive urinary bladder carcinomas as follows, (1) p53 mutations have an important role in promotion and progression stages of carcinogenesis, (2) invasive bladder carcinomas occur multi-centrically in the bladder, (3) an organic arsenic, dimethylarsinic acid exerts carcinogenicity in the bladder of rats, (4) p53 mutations in carcinomas are caused by different carcinogens, and (5) bladder urothelium of people living in 137Cs-contaminated areas of Ukraine showed chronic proliferative atypical cystitis (so-called Chernobyl cystitis).
著者
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福島 昭治
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター
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鰐渕 英機
大阪市立大学大学院医学研究科 都市環境病理学
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鰐渕 英機
大阪市立大学大学院医学研究科都市環境病理学
-
鰐淵 英機
大阪市立大学都市環境病理
-
鰐淵 英機
大阪市立大学第一病理
-
福島 昭治
大阪市立大学 大学院医学研究科都市環境病理学
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