王政復古期イングランド議会における予算の審議過程-第二次オランダ戦争と「借入及び割当」条項の導入を中心に-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近代イギリス予算制度成立史研究の一環として,名誉革命(前後)期(1640年代から1714年アン女王の死まで)を考察対象として扱った拙稿1)においては,当該期における財政面での「立憲体制」の成立過程を総括的に論じることを意図したので,わが国において研究史が殆ど欠落している当該期における具体的な予算の審議過程2)については,冊子体での史料的制約もあり,殆ど全く言及しえなかった。本稿では,(その後に知った)Web上で利用しうる史料3)を利用して,近代イギリス予算制度の完成期(1860年代末)における予算の審議過程に至る歴史的・段階的な位置如何という観点から,「王政復古」Restoration期,とりわけ,その中でも「第二次オランダ戦争」Second Dutch War期(1665年~1667年)に限定して,(1)イングランド議会における予算の審議過程,及び(2)そのような審議過程を経て制定されたいわゆる「援助金及び議定費」法 Act of 'aids and supplies' において初めて導入されてくる4) 「借入及び割当条項」の内容を具体的に明らかにすることにしたい。
- 2008-03-21
著者
関連論文
- 名誉革命後イングランド議会における予算の審議過程(Ⅱ)―対フランス戦争と「軍事歳出予算」及び「1年間援助金譲与法」導入を中心に―
- 名誉革命後イングランド議会における予算の審議過程(1) - 対フランス戦争と「軍事歳出予算」及び「1年間援助金譲与法」導入を中心に -
- 「会計年度」と財政民主主義(I)
- 藤田哲雄著, 『イギリス帝国期の国家財政運営-平時・戦時における財政政策と統計1750-1915年-』, ミネルヴァ書房, 2008年, xii+438頁
- 藤田哲雄著, 『近代イギリス地方行財政史研究 : 中央対地方、都市対農村』, 創風社, 一九九六年六月, 五一一頁, 七、〇〇〇円
- 欧米近現代財政史・国制史研究の一視角(下の1) : イギリス財政史・国制史研究に即して
- 『選挙制度調査勅命委員会報告書(1910年)』分析-「代表原理」の」比較国制史研究の基礎視角設定のために-
- 欧米近現代財政史・国制史研究の一視角(中) : イギリス財政史・国制史研究に即して
- 欧米近現代財政史・国政史研究の一視角(上) : イギリス財政史・国政史研究に即して
- 「会計年度」と財政民主主義(Ⅳ)―近代イギリス予算制度の成立過程に即して―
- 1914年「アイルランド統治法」の成立
- 「会計年度」と財政民主主義(II): 近代イギリス予算制度の成立過程に即して
- 「大不況」期におけるイギリス国庫補助金問題
- 自由主義期におけるイギリス国庫補助金問題
- 王政復古期イングランド議会における予算の審議過程-第二次オランダ戦争と「借入及び割当」条項の導入を中心に-
- 「会計年度」と財政民主主義(3)近代イギリス予算制度の成立過程に即して
- イギリス都市地方財政問題と1895年「土地増価還元賦課金」の成立
- 「会計年度」と財政民主主義(5)近代イギリス予算制度の成立過程に即して
- 「会計年度」と財政民主主義(VI・完)-近代イギリス予算制度の成立過程に即して-
- 「会計年度」と財政民主主義(6・完)近代イギリス予算制度の成立過程に即して