明治期における香川県下の市町村財政(4)
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概要
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まずお断りをしなければならない。本稿(4)の大部分は前号(3)の、5.2 衛生費をめぐる予算審議と財政、を増補改訂し、5.3 避病院・伝染病院の建設をめぐる審議と財政、を増補したものである。なぜそのようになったのかの理由は以下の通りである。第1 に、(3)を執筆した際に筆者は学部長を仰せつかり、充分な研究の時間が取れず不十分なままに原稿を提出せざるをえなかったことである。第2は、2009 年5 月9 日に香川大学で開催された四国財政学会第47 回研究会で「香川県大川郡富田村の明治期における衛生費外について」と題して研究発表を行い、会員諸賢から有益な指摘をもらい、衛生組合や大字の財政について研究する必要を感じたということである。なお、(3)の抜き刷りを関西福祉大学教授で、日本地方財政史に関する碩学の坂本忠治氏に送ったところ、私信で衛生費「だけを〔これだけ〕詳しく分析されたのは初めて見ました」というコメントを頂き、明治期における衛生費研究の意義を再認識し、不十分な点を改めて一層研究を深める必要を感じたという次第である。以上のような事情で増補改訂版を世に問うことにした。増補改訂の主要な作業は明治期における他の時期の伝染病を取り上げたこと、『香川新報』の閲覧月日を広げて伝染病の実態をより詳細に明らかにすること外であった。その結果、分量的に2.6 倍に増加した。Ⅰ.市制町村制の制定ならびにその意義 Ⅱ.香川県下における市制町村制の実施 Ⅲ.市町村の行政機構と議会議員選挙 1. 香川県下の市町村の行政機構と予算制度の概観 2. 市町村議会議員の選挙 Ⅳ 市町村財政1.歳出 1.1 教育費(以上は、第7 巻第1 号) 1.2 衛生費 2.歳入 3.税収入 Ⅴ 富田村の行財政 1.富田村の人口、地目、役場の機構(1910年~ 1911 年) 2.給料・雑給等の決定について 3.富田村の財政構造の推移(以上は、第8 巻第1 号) 4.町村制から見る村の行政組織、富田村における村長、助役の選挙ならびに収入役、書記の選任 5.富田村の財政運営 5.1 教育費をめぐる予算審議と財政 5.1.1 富田尋常高等小学校略史(明治期) 5.1.2 富田尋常高等小学校校舎建築の歩み(明治期)5.1.3 1906(明治39)年度の教育費について 5.1.4 1911(明治44)年度の教育費について 5.2 衛生費をめぐる予算審議と財政 5.2.1 1894(明治27)年度の衛生費 5.2.2 1895(明治28)年度の衛生費 5.2.3 1896(明治29)年度の衛生費 5.2.4 1908(明治41)年度の衛生費 5.2.5 1909(明治42)年度の衛生費 5.2.6 1910(明治43)年度の衛生費 5.2.7 1911(明治44)年度の衛生費 5.3 避病院・伝染病院の建設をめぐる審議と財政 5.3.1 1895(明治28)年度における避病院建設をめぐる審議 5.3.2 1898(明治31)年度における伝染病院建築をめぐる審議と予算・決算(以上は、第8 巻第2 号、2008 年12 月)
- 2009-12-31
著者
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