中国の就業者統計について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者版『中国統計年鑑』や『中国労働統計年鑑』では、1990年以降の「産業別就業者数(原語:分行業就業人員人数)」における各産業の就業者数を合計すると、同表の総数欄と一致せず、その開差は年を追って拡大する傾向であり、2000年以降両者に示される総就業者数は1億人近くまで異なるようになった。同年鑑にこの問題に対する解説がほとんどないため、ユーザー側にさまざまな混乱をもたらし、「統計の怪」と呼ばれたり、その巨大な開差は多くの憶測を生ませたりした1。また、その開差に対する解釈によって、産業別就業者数をそのまま利用しその合計を就業者総数とする研究もあれば、公表されたその総数に合わせて各産業の就業者数に対する調整を試みる研究もある2。実は各産業の就業者数の推計とその総数として公表されている合計値の推計にはそれぞれ異なったデータソースが利用されている。就業者数の現行推計は大きく二つの統計に依存している。1つは人口センサスおよびその関連統計で、公表されている1990年以降の毎年の就業者総数はそれに基づいて推計されている。一方、各産業の就業者数は、三つの統計を合体することによってできた、「就業綜合統計報告制度」または「三合一」と呼ばれている統計による推計値である。就業者数に関するこの二つの統計は調査の方法や定義が異なり、当然ながら、結果数字に開きがある。
- 埼玉大学経済学会の論文
著者
関連論文
- 中国のGDP統計
- 実物型(物量)表による中日産業連関構造の国際比較
- 日韓1995年産業別価格格差とその要因分析
- 生産アプローチによる韓日購買力平価推計と価格格差の要因分解 (経済学部特集号:松原和男教授 上島武教授退職記念-資本主義の行方-)
- 中国経済の国際収支分析
- 日本と韓国の生産性上昇率の国際比較
- 1990年代の中国においてサービス業の成長が相対的に遅れた要因の分析
- 中国の国民経済計算が直面する問題と今後の改革方向
- 購買力平価と産業関連の多国間比較--日中韓2000年を対象に
- 日中韓2000年産業別購買力平価の推計
- 中国のサービス業統計及びその問題点について
- 中国の就業者統計について
- 「中国国民経済計算体系(試行案)」の改定について
- 中国鉱工業と農業の不変価格表示の付加価値の現行推計方法およびその見直しについて
- 中国政府統計の改革
- 中国の現行GDP概念と93SNAのGDP概念との間に存在する若干の相違
- 全要素生産性と全労働生産性--それらの共通点と相違点の比較考察及び日本1960-2000年に関する試算
- PPPによる日韓95年I-O表実質値データの構築
- 韓日1995年産業別購買力平価の推計
- 中日購買力平価に関する研究〔含 中国語文〕 (第4回日本・中国経済統計学国際会議)
- 2000年産業別生産性水準の日韓比較 (経済学部特集号:土井乙平教授追悼号)
- 日本と中国のGDP統計作成の比較 (経済学部特集号: 泉弘志教授、間野嘉津子教授退職記念号)