北海道に発生したリンホシスチス病について
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概要
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Lymphocystis disease of Kurosoi Sebastes schlegeli and cultured and wild Hirame Paralichthys olivaceus in Hokkaido, Japan was studied by light and electron microscopy. Seasonal variation in the incidence of lymphocystis was recognized and the incidence of lymphocystis was greatest in July (37%) in the cultured Hirame. Lymphocystis cells were observed mainly on the fins of Kurosoi and were observed in various places on the body surface of Hirame. Lymphocystis cells showed characteristics figures, including cellular hypertrophy, cell enclosure by a distinctive hyaline capsule, enlarged nucleus and granular-appearing cytoplasm with prominent inclusions. The virus particles were polyhedral, represented as hexagonal or pentagonal profiles in sections. They are about 273nm in mean diameter in Kurosoi and about 259nm in mean diameter in both cultured and wild Hirame. They may often be seen in crystalline array and they are always located in the cytoplasm. Virogenic particles were observed around the inclusion body see on light microscopy.北海道に発生した3例のリンホシスチス病(養殖クロソイ,養殖および天然ヒラメ)について光学顕微鏡および電子顕微鏡による観察を行い,以下の結果を得た。1. 本病の発生には季節性が認められ,養殖ヒラメでは初夏に多発する傾向が認められた。2. 病変は粟粒様異物として認められ,クロソイではほとんど鰭のみに限られていたが,ヒラメでは各鰭のみならず眼球を含む体表面いたるところに観察された。3. 光顕観察でリンホシスチス細胞は正常細胞に比しきわめて巨大化し,一層の均質無構造で好塩基性の厚い細胞膜で囲まれ,内部には巨大な核と好塩基性の封入体が観察された。4. 超薄切片でウイルス粒子は細胞質内に散在あるいは結晶状配列をして存在していた。その形態は六角形または五角形を呈し,正20面体と推定され,大きさはクロソイで径約273nm,ヒラメでは養殖および天然魚共に径約259nm,であった。5. 光顕像の封入体に相当する構造物は電顕像では核内に観察されるosmiophilic物質と類似した顆粒で構成され,その外縁にはカプシッド形成中とみられるウイルス粒子が観察された。6. 電顕像で核はきわめて不整形で,核膜の配列が乱れている個所が少なからず観察された。また細胞膜は均質無構造で電子密度の低い厚い膜からなり,細胞質との境界は複雑にからみあった状態を呈していた。
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