追播翌年における一番草の刈取時期が追播オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の茎数および全牧草収量に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本報告では,荒廃した草地の植生回復を簡易的に図るための追播技術を確立することを目的として,追播翌年における一番草の刈取時期が追播オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の茎数と全牧草収量に及ぼす影響について検討を行った. 実験では,短草型子種優占の放牧草地を長草型草種主体の採草地へ簡易更新する際,草地用条播機を用いて追播した翌年の刈取時期が追播草の茎数密度および全牧草収量に及ぼす影響について検討を行った.実験の結果,追播を行った場合,翌年一番草において早刈りを行うことは,梅雨明け7月の茎数密度において遅刈りの場合の5割増加を示したことや,追播を行わない場合の2割程度の増収が認められた.これらのことから,追立翌年の一番草の早期刈取りを行うことは追播オーチャードグラスの定着を促進し、全牧草の増収に寄与することなど,荒廃草地の植生回復あるいは草地の簡易更新に有効であることが示唆された.This study was designed to examine the stem density of Orchardgrass (Og) drilled in the previous year into the pasture and the dry matter yield of grasses of it. The objective was to examine a mechanism for the establishment Og on a directly drilled pasture sward and the grass yield with the intent of recovering degrading grassland. In this experiment, in the case of an early cutting of the grass in the next year, the stem density of Og sown the previous year showed a 50% increase than the late cutting, while the dry matter yield of the pasture grasses in that case showed a 20% increase over that of non-overseeding. Result from this study suggested that all early cutting of the grass the next year keeps the stem density of Og (sown the previous year) as high as possible, resulting in a higher dry matter yield of grasses than that of non-overseeding. The present method would be effective in improving direct drilling technology in terms of recovery of the vegetation in the degrading grassland. 10
- 2003-03-27
著者
関連論文
- 牛糞によるイヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv.)とメヒシバ(Digitaria adscendens (H.B.K.) Henr.)種子の拡散の可能性
- 牛用配合飼料としての沙棘 (サジー) 絞り粕の可能性に関する研究
- 荒廃果樹園におけるヤギの採食による植生の変化について
- 1-36 大分県久住高原におけるカヤネズミによる採草用牧草地の利用
- 追播翌年における一番草の刈取時期が追播オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の茎数および全牧草収量に及ぼす影響
- 光質の違いがイヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv.)とメヒシバ(Digitaria adscendens (H.B.K) Henr.)種子の発芽に及ぼす影響
- ウシの消化管通過に伴う牧草種子の発芽能力の変化
- 2-16 九州中部高原地域の採草地におけるイヌビエとメヒシバ埋土種子の休眠覚醒の進行と発芽特性の変化
- 2-15 変温と光質の違いがイヌビエとメヒシバの発芽に及ぼす影響
- 放牧を軸とした国内草資源フル活用による新たな肉牛飼養システムの提案(食料・環境問題に対する畜産・草地研究の貢献)
- 牛の体質制御によるグラスフェッド型牛肉生産システム再構築
- 47 放棄果樹園におけるセイタカアワダチソウの放牧牛による採食利用(1-(4)利用、水質浄化、砂漠緑化)(1. 雑草)
- 3-15 放牧強度が異なる樹園跡地における植生の短期的変化
- 3-14 樹園跡地植生の群落内照度に及ぼす異なる放牧強度の影響
- 果樹園跡地における黒毛和牛の放牧行動パターンおよび血液性状に関する研究
- 追播における覆土が雑草、特にエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L .)の発芽および茎数に及ぼす影響
- 1-20 ケイヌビエとメヒシバの初期生育におよぼす温度と遮光の影響
- 1-19 九州中部高原地域採草地におけるケイヌビ工とメヒシバの発芽時期
- 1-6 採草地更新時における基肥量が播種牧草と既存草の競争に及ぼす影響
- 1-22 ケイヌビエ・メヒシバの発芽におよぼす温度と遮光の効果
- 1-12 イタリアンライグラスおよび寒地型多年生牧草の初期生長に及ぼす施肥の影響
- 耕起法の違いがエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L.)の株の萌芽ならびに種子発芽に及ぼす影響
- 追播における堆肥を含む混合覆土が追播オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)とエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L.)の茎数ならびに全牧草の乾物収量に及ぼす影響
- 覆土資材と覆土厚の違いがオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)およびエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L.)の初期発芽率に及ぼす影響
- 生後3ケ月間の飼育方法の違いが子牛の発育に及ぼす影響