精巣鞘膜に発生した悪性中皮腫の1例
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概要
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70歳男。患者は左陰嚢腫大を主訴とした。初診時, 超音波断層法で陰嚢水腫を伴う陰嚢内腫瘤が複数認められ, 腫瘤は最大25mmで, 精巣からは離れた部位から内腔に突出していた。また, 陰嚢部CTでは陰嚢内に均一に造影される充実性腫瘍が認められた。左精巣鞘膜から発生した陰嚢内腫瘍と診断され, 左高位精巣摘除術を施行したところ, 陰嚢内溶液は黄色透明で100 mlであった。更に精巣には異常は認められなかったものの, 精巣鞘膜面から生じていると考えられる黄色の不整な隆起病変が複数確認された。一方, 病理組織学的所見では白膜に腫瘍細胞の浸潤がみられ, 異形成を伴う中皮細胞が腺腔形成や乳頭状に増生していた。以上より, 本症例は免疫組織学的所見を含め, 精巣鞘膜に発生した悪性中皮腫と診断された。目下, 術後3ヵ月経過で明らかな再発や転移は認められてていない。尚, 画像上で他臓器の病変はなく, 追加治療は行なわれなかった。
- 泌尿器科紀要刊行会の論文
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