褐色細胞腫38例の臨床的検討 : 術中の血圧変動と尿中VMAの関連性について

概要

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手術を行った褐色細胞腫38症例を対象に, 術中の血圧変動を予測する因子を検討するために尿中カテコールアミン代謝産物を測定した。副腎外発生例は6例で, 全例に高血圧を認めた。そのうち, 尿中カテコールアミンを測定した5例は全てノルアドレナリン分泌優位型(NAd型)であった。術前に高血圧を33例(87%)に認め, 発作性高血圧(発作型:12例・持続発作型:9例)が21例(64%), 持続型高血圧は12例であった。アドレナリン分泌優位型(Ad型)は発作性高血圧(発作型・持続発作型)19例中10例(52.7%), NAd型は持続型高血圧・正常型15例中9例(60%)であった。術中に血圧変動がみられたのは15例で, 発作型:73%, 持続発作型:75%, 持続型:40%, 正常型:0%であった。また, 24時間蓄尿中のバニリルマンデル酸(VMA)は血圧安定群14例に比べ, 有意に高値であった。24時間蓄尿中のカテコールアミン代謝産物の測定, 術前の高血圧分類, 尿中VMA分泌量は術中の血圧変動の予測因子と考えられた。