単発性膀胱転移をきたした右腎癌の1例

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概要

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48歳女。患者は膀胱刺激症状を主訴とした。超音波および腹部CTでは右腎に腫瘤性病変を認め、膀胱鏡では右後三角部に小指大の血管増生と表面石灰化を伴った非乳頭状有茎性の単発性腫瘤を認めた。以上より、本症例は膀胱に単発性に転移した右腎癌と診断し、経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行した。その結果、腫瘍基部は肉眼的に表在性であり、明らかな浸潤所見は認めなかった。病理診断的にはclear cell carcinomaで、他部位に明らかな転移は認めなかった。以後、術17日後、更に経腹的右腎摘除術を施行したが、病理組織学的所見で膀胱腫瘍と同様の小型円形核と淡明な胞体を有する腫瘍細胞が増生しており、clear cell carcinoma、G1、pT3a、v(+)、断端(-)と考えられた。術後、経過は良好で、目下、外来経過観察中である。
泌尿器科紀要刊行会の論文

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