末期泌尿器癌患者に対する皮下埋め込み型中心静脈リザーバーの使用経験

概要

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末期泌尿器癌患者8名(男6, 女2, 年齢60～84歳)を対象に埋め込み型中心静脈リザーバーの有用性と安全性を遡及的に検討した。中心静脈リザーバーの適応は, 患者本人および家族が在宅療法を強く希望していること, 経口摂取が不良で中心静脈栄養を必要とする場合とした。留置翌日より主に看護師が家族にリザーバーの管理方法を指導しながら実際にHober針でリザーバーを穿刺し輸液を開始した。退院後や外泊中は主に訪問看護師や家族がリザーバーの管理を行った。各症例につき, 挿入時, 留置後の合併症, 留置から帰宅までの期間, 外泊を含む在宅療養期間および留置から死亡までの期間を検討した。その結果, 1例にカテーテルの右内頸静脈への迷入を認めたが患者の体動を禁じえず修正できないままリザーバーを留置し, 合併症として低栄養状態によるリザーバー部の創し開を認めたがカテーテル感染徴候は示さなかった。また, 留置合併症の挿入時の機能的合併症や感染・閉塞・血栓なども認めず, 全例でリザーバーの抜去はなく死亡時まで輸液や薬剤投与が可能であった。留置から帰宅までの期間は平均12.7日で在宅療養期間は平均22.1日で留置から死亡までの期間は平均40.6日であった。以上より, ターミナル期間が比較的長い患者にとって有用かつ安全と考えられた。
泌尿器科紀要刊行会の論文

末期泌尿器癌患者に対する皮下埋め込み型中心静脈リザーバーの使用経験

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