後腹膜悪性線維性組織球腫の検討

概要

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1985年～2005年に診断した悪性線維性組織球腫(MFH;Malignant fibrous histiocytoma)7例(男5例女2例、平均年齢58歳)について検討した。主訴の腹部背部痛は全例の6割で認められ、2例に発熱倦怠感等全身症状を伴った。腫瘍発生部位は後腹膜腔以外に精索周囲組織もあり、腫瘍長径平均11.5cmで、臨床経過は観察期間が中央値5ヵ月、6例で治療目的に腫瘍摘出術を実施した。摘出術実施6例中、術後局所再発は5例、再発までの期間は平均1.5ヵ月であり、手術以外の治療を放射線治療を4例で実施し、うち2例で再発、転移巣の治療を行った。化学治療は1例に実施し、mesna、adriamycin、ifosfamide、dacarbazine(MAID)を用いたが、開始後局所再発で死亡した。死亡した5例の生存期間は平均3.5ヵ月で、現在も生存中の2例中1例が左精索原発のMFHであった。また、1例は右腎被膜由来のMFHで再発を繰り返していたが、その都度完全摘除が可能であった。
泌尿器科紀要刊行会の論文