”Ice Before the Equinoctial Heats”-学徒メルヴィル-
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概要
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「私の人生は25歳から始まります」(From my twenty-fifth year I date my life)1。先輩作家ホーソーンにメルヴイルはこう書き送った。『白鯨』(Moby-Dick,1851)の完成を間近にした1851年の夏、31歳の時である。人生の出発点としてメルヴィルは二十代の半ばの時期を考えた。処女作『タイピー』(Typee,1846)の執筆を始めた時期である。メルヴイルによると、これ以前の自分はまだ芽を出していない「種子」(seeds)のようなもので、作家を意識して作品を書き始めた25歳の頃から、「三週間もすれば必ず新しい芽吹きがあった」(Three weeks have scarece1ypassed...that I have not unfolded with in my self) という。なるほどメルヴイルは25歳の時から作家としての「人生」を始める。しかし、それ以前のメルヴイルに「人生」がなかったわけではない。少なくとも「種子」としてのそれはあったはずである。その「種子」とは、具体的にどのようなものであったのか。またそれは、それをとりまく環境とどのように関わり、さらに作家としての「芽吹き」と、どのような関連を持つものであったのか。
- 2000-03-15
著者
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