PISA型読解力の向上をめざした実践研究 ―新聞記事の読み比べ(国語科)を通して―
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概要
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本稿では、伝統的な読解力とOECDの調査による読解力を区別するため、OECDの調査による読解力をPISA型読解力と呼ぶこととする。PISA型読解力では、テキストを理解・解釈・評価することに重点をおいている。今回はPISA型読解力向上のために、国語科の授業において新聞記事の読み比べを行った。身近な説明文である新聞記事は、比較的はっきりとしたフォーマットを持っているため、読み比べによる共通性と差異性を捉えやすい。類似のフォーマットからなる新聞記事を比較することにより、事実の読み取りや検証、評価といったPISA型読解力の向上につながると考えた。新聞記事の内容は、やまぞえ小学校の児童が平和学習の一環として取り組んだ「原爆稲の刈り取り」である。この学習は3社の取材を受け報道された。その中から2社の新聞記事を読み比べ、共通点と相違点を明らかにし、新聞記事の特徴や自分の体験に基づくとどちらの新聞がよいかを熟考・評価させた。その結果、自らの立場と論拠を明確にして、客観的・批判的にテキストを捉えようとする能力が身についた。新聞の読み比べは、PISA型読解力の向上につながることが認められた。
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センターの論文
- 2006-03-31
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター | 論文
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