げんのうによる釘打ち技能の習得を支援する教具と学習評価
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概要
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中学校技術・家庭科の技術分野「技術とものづくり」では、製作実習で釘が多く用いられている。釘打ち作業のとき、釘を曲げたり、材料を割ったり、また打ち終えるまでに多くの打撃回数を要する等、生徒間で技能の差が大きい。本研究は、げんのう頭部の打撃面に貼り付けた鉛板に刻印された釘の打撃痕跡を数値化する技能評価法(打痕法)を用いて、釘打ち技能の習得を支援する教具を提案し、それを用いて学習指導の効果を検討することを目的とした。得られた結果を以下に要約する。①打痕法によって、げんのう打撃面での打撃位置を把握することができた。②打撃痕跡を数値化することによって、釘打ち技能の習得過程を評価することができた。③打撃痕跡を分析することによって、打撃回数および打撃位置を視覚的に自己評価することができた。④釘打ち技能を向上させる指導として、作業時の視線に関する項目が最も高い学習効果を得た。⑤作業時の腕、手の動きに関する指導で高い学習効果を得た。以上の結果から、釘打ち技能の習得を支援する教具およびその方法である打痕法は、釘打ち技能の評価に十分に効果的であったと言える。本方法は、従来とは異なる視点で釘打ち技能を自己評価できる要素を含んでいることから、生徒は釘打ちに「興味」「関心」を持つことができ、さらに自己の達成度への理解を深める可能性を示したと思われる。
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センターの論文
- 2004-03-31
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター | 論文
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