腹部超音波により診断し得た魚骨による腹腔内炎症性肉芽腫の 1 例

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概要

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腹部超音波検査により，魚骨が成因と診断できた腹腔内炎症性肉芽腫の１例を報告した．症例は 70 歳男性．夜間に突然腹痛を来たしたが，翌朝には軽度の右下腹部圧痛を自覚するだけとなったため放置していた．しかし，症状が完全に消失せず， 2 週間後に当科を受診した．腹部超音波検査にて，右下腹部に約 3 cm 大の腫瘤像とその内部に魚骨と思われる線状高エコーを認めた．病歴の再聴取にて，発症の 3 日前に鮭のあら煮を食べたことが判明した．症状は軽度で腹膜刺激症状がなく，血液検査で炎症所見が軽度なため，発症 49 日目に手術を施行した．腫瘤は大網より成り，虫垂先端が癒着していた．摘出標本内に魚骨を認め，病理学的に炎症性腫瘤と診断された．虫垂先端に異常所見を認めなかった．術後経過は良好であった．
三重医学会,三重大学医学部の論文
2006-09-25

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