唐人の対日交易--『高野雑筆集』下巻所収「唐人書簡」の分析から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「高野雑筆集」下巻所収「唐人書簡」の分析を通して,9世紀中葉に両浙地域を拠点とした唐人交易者の対日交易の実態を検討した。その結果,当該期に対日交易を活発化させた彼らに対し,日本は856年前後までには唐物使を派遣してその貨物に対する官司先買を強化したこと,このため唐人らは,日本に居留する近親者との面会の場面を利用し,貨物を密かに渡して官司先買を逃れようとしていたことなどが推定された。また,彼らのもたらす交易貨物には,彼らが本拠とした江南地域産のものだけでなく,その北方・南方から集められた品々が含まれていたことも確認した。
- 関東学院大学経済研究所の論文
関東学院大学経済研究所 | 論文
- 技術の社会的収益と私的収益の比較 : アローの潜在社会的収益の再検討
- 技術ライセンスと販売地域制限
- 再生産構造の国際的展開と日本経済 : アジア規模での再生産構造における日本経済の位置
- 1985年以降日本における設備投資の産業連関構造 : 1985,90,95,2000年の固定資本マトリックスの検討を中心にして
- 1985年以降日本の再生産構造の変容 : 1985,1990,1995,2000年の産業連関表の組み替えによる