報酬を用いたPeer-to-Peerコンテンツ流通方式
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概要
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本稿では,需要者への宣伝効果や情報伝達に関して,従来の流通経路や宣伝経路とは別の全く新しい流通形態,―peer-to-peer(ピアツーピア)を利用したコンテンツ流通― の可能性について検討する。近年のDRM(Digital Rights Management)技術の発達などによって,各ピアのコンテンツ流通の貢献度を立証可能な形で収集することが出来るようになった。そこで,本稿では伝達活動の見返りとして各ピアに報酬を付与するコンテンツ流通モデルを構築する。そして,コンテンツの販売者にとっての最適価格及び最適報酬を導出する。先ず,成功報酬を仲介者に課す場合,紹介活動が成功し被紹介者が購入する確率がピアに依らず定常的なケースに関してモデル分析を行い,全てのピアに対して,コンテンツを紹介させることが最適となることが示される。次に,購入したピアにのみ紹介活動を行わせるなど,被紹介者が購入する確率がピアによって異なる場合については,シミュレーションを行い,紹介活動が成功する確率が市場規模が飽和するにつれて低下することにより,情報伝播範囲が内生的に決定される様子を示す。
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