ビニール鐘式堆肥処理による廐肥中のイエバエとサシバエ幼虫の撲滅実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
畜舎の1週間分の廐肥を,底に水をはった堆肥処理場の簀子の上に積み上げ,完全に気密な角型のビニール鐘をかぶせ,その裾はすっかり水中に沈めて廐肥中のハエ幼虫を死滅させる,いわゆるビニール鐘式堆肥処理法を考え,野外実験を行なった結果次のことがわかった.1)廐肥の醗酵は空気の遮断によってほとんど停止し,廐肥中の各令ハエ幼虫は,夏は3~4日間,春秋には4~5日間の空気遮断によって悉く死滅する.2)廐肥の醗酵を停止させ,ハエ幼虫を死滅させる原因は酸素の欠乏と,一部はメタンガスその他の不詳のガスの発生によるものと思われる.3)ビニール鐘をかぶせて空気を遮断し,ハエ幼虫を死滅させた後の廐肥は空気を通すと再び醗酵を始め,ハエの発生源となる.以上のことから,この方法によってハエを撲滅するためには,1週間分の廐肥を積み上げ,直ちにビニール鐘をかぶせ,3~4日間防虫網をはめた鐘の袖から空気を通して醗酵を起させ,内部のハエ卵を悉く孵化させた後で,夏は3~4日間,春秋は4~5日間袖を閉じて空気を遮断し内部のハエ幼虫を殺してから再び防虫網ばりの袖から空気を通して充分醗酵,腐熟させなければならない.An equipment, an air-tight vinyl cover for destructing housefly and stable fly maggots in the animal manure were devised by the senior author. The cover, 80cm by 110cm and 100cm high, is put on the heap of seven days' litter from a cattle-shed piled up on
- 1962-03-23
著者
関連論文
- 日本に於けるバンクロフト糸状虫症の伝搬蚊に対する駆除作業の効果
- 5 早春のコガタアカイエカとシナハマダラカの出現消長の比較
- 越冬コガタアカイエカの年齢 (第 18 回大会講演要旨)
- コガタアカイエカの飛翔分散実験(第 20 回大会講演要旨)
- ビニール鐘式堆肥処理による廐肥中のイエバエとサシバエ幼虫の撲滅実験
- 蠅類の撲滅効果判定の方法について (第 10 回大会講演要旨)
- 5 チカイエカの蛹期における 3 胞の発育について
- 17 チカイエカとアカイエカの蛹期における 3 胞の発育の比較
- イエバエの産卵に伴なう卵巣小管の変化について(第 16 回大会講演要旨)
- 対馬産蚊族の調査成績(第 13 回大会講演要旨)
- 5 コガタアカイエカ雌成虫の休眠の深さの地理的変異について
- コガタアカイエカ雌成虫の光周期反応の地理的変異 (予報)(第 23 回大会講演要旨)
- コガタアカイエカの未成熟期の発育期間と, 特に春および秋における環境温度との関係(第 22 回大会講演要旨)
- 日本脳炎伝搬蚊の撲滅野外実験(第 20 回大会講演要旨)
- 蚊によるバンクロフト糸状虫症伝搬の危険性に影響する要因について〔英文〕
- コガタアカイエカの越年と年齢分布(第 19 回大会講演要旨)
- コガタアカイエカの越年した♀成虫の採集成績についての予報〔英文〕
- 琉球に於けるネッタイイエカのバンクロフト糸状虫に対する感受性と日本に於けるアカイエカのそれとの比較〔英文〕
- コガタアカイエカの越年実験〔英文〕
- イエカ類によるバンクロフト糸状虫症の家族感染〔英文〕
- アカイエカの経産に伴なう卵巣小管の変化(第 16 回大会講演要旨)
- トウゴウヤブカの経産に伴なう卵巣小管の変化(第 16 回大会講演要旨)
- トウゴウヤブカの無吸血産卵について(第 14 回大会講演要旨)
- 日本産ヤブカ類の未記載雄及び未成熟期の形態〔英文〕-1・2-
- バンクロフト糸状虫症の伝搬に関わるアカイエカの役割に関する実験的研究〔英文〕-6-
- 宮古島,久松部落に於けるフィラリアの疫学〔英文〕-1-
- 便所の臭気抜きから侵入するハエ類と蚊について
- ハエ類の採集方法に関する研究 (第 3 報) : 金網トラップの脚高を 4.5cm とした時の餌の量と高さの効果について(第 11 回大会講演要旨)
- 密閉堆肥舍による蠅類の撲滅実験(第 9 回大会講演要旨)
- 8 とこじらみの低温に対する抵抗性
- 6 チカイエカの吸血習性について (第 2 報)