脳梗塞患者の入院時における自尊感情と日常生活動作の関連
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概要
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広島保健学学会 特別講演急性期の脳梗塞患者の自尊感情と日常生活動作の関連を明らかにするために,入院中の脳梗塞患者150人に調査協力を依頼した.調査協力の同意が得られなかった患者25人と調査前に退院された患者17人を除き,108人(72.0%)(男性74人,女性34人,平均年齢64.5(SD 12.5)才)にアンケート調査を実施した.自尊感情(Rosenberg のSelf-Esteem,以下RSE と記載)は平均29.9(SD 6.1)点,日常生活動作(Barthel index,以下BI と記載)は平均89.4(SD 16.0)点であり,RSE とBI の間にはBI が低いとRSE が低いという正の相関がみられた(Spearman のρ= 0.461,p < 0.001).また,BI が低いことと「女性である」「高齢である」「入院時の機能障害が重い」の関連が示唆された.急性期には,脳梗塞患者の日常生活動作の自立に向けた援助と,自尊感情を高める介入が必要であると考えられた. The purpose of this study was to investigate the relationship between self-esteem and the activities of daily living in inpatients after an ischemic stroke. The level of Rosenberg's Self-esteem and the Barthel index were examined. There were 108 respondents (74 males and 34 females). Based on these results, selfesteem was significantly correlated to the Barthel Index (Spearman's ρ=0.461, p<0.001). Findings indicated that low self-esteem related to dependence, and the level of dependence showed a negative association with women, the elderly and severe disability. These results suggested the necessity of rehabilitation for re-acquiring the skills of daily living and enhancement of self-esteem in patients who are dependent.
- 広島大学保健学出版会の論文
- 2005-10-31
著者
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