幼稚園における機能的アセスメントの適用--攻撃的行動を示す注意欠陥・多動性障害幼児に関する事例研究
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概要
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本研究は、攻撃行動を示す注意欠陥・多動性障害の幼児1名に対して、機能的アセスメントに基づく支援を幼稚園において実施し、その結果について検討した。機能的アセスメントは、保護者と教師に対するインタビュー、および教室内での直接観察を通じて収集された情報に基づいて実施された。さらに、機能的アセスメントに基づいて立案された支援計画は、教師とのミーティングを通じて幼稚園の文脈に適合するように修正された。教師により支援計画が実施された結果、対象児の示していた行動障害が減少し、日常生活活動の獲得も促進された。一方で、支援計画による効果が十分に示されなかった目標行動も存在した。そのような目標行動に対しては、観察データに基づいて支援計画を修正する必要があった。これらの結果から、支援計画を効果的にするためには、最初に実施するアセスメントだけでは十分ではなく、継続的な行動評価システムの存在も必要であることが示された。
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筑波大学心身障害学系 | 論文
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