障害のある人びとの選択決定に関する研究の展望--個人と環境の相互作用の視点から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
先行研究では、障害のある人びとのQOL拡大として、好みの表出や選ぶ能力を評価して介入すること、選択機会を設定すること、選択による行動への影響に関して検討されてきた。障害のある人びとの選択決定は他者が媒介していることが多いことをふまえ、本稿では個人と環境の相互作用という視点から障害のある人びとの選択決定に関する研究を展望した。その結果、自己決定の援助として、選択肢の拒否や他の選択肢を要求する機会の設定が必要であると示唆された。そして他者と行う活動において、選択決定への影響を検討するために活動中の社会的相互作用を分析すること、選択決定による相互作用への影響を検討すること、自律性の発達を促す選択決定を教える方法を検討すること、相互作用としての選択決定の満足度を評価することが今後の課題として挙げられた。
- 筑波大学心身障害学系の論文
筑波大学心身障害学系 | 論文
- 川田貞治郎の「心練」の実態に関する研究--戦前の実践事例の検討を通して
- <原著>糸賀一雄の「共感」思想に関する考察
- <資料>絵本を媒介とした母親と子どもの読み活動に関する研究の動向
- <原著>音韻障害を併せ持つ吃音児の指導過程 : U仮説に基づいて
- 気管支喘息児の皮膚温分布に関する臨床的研究