<原著>統合保育場面における発達障害児と健常児との社会的相互作用の促進に関する研究 : 機能的分析の適用とこれに基づく介入効果の検討
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概要
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統合保育場面において、発達障害児とその仲間および保育士を対象とし、社会的相互作用の促進を試みた。主に「社会的スキル訓練」として取り上げられてきた社会的相互作用について、これまであまり重要視されなかった機能的な側面からの相互作用の分析を実施し、分析結果に基づく介入を試みた。機能的分析においては、社会的相互作用研究に特有の①低頻度行動の分析、②三者間以上の複雑な相互作用の分析に対応するため、反応の量的分析に加え、時系列的分析を試みた。分析結果より、①反応間の相互強化関係の可能性、②保育士によるセッティング効果、③保育士と仲間との役割交代効果、④保育士がもたらす相互作用への負の効果が明らかとなった。分析に基づく介入により、対象児と仲間との社会的相互作用は促進し、場面への般化も確認された。時系列分析のより客観的なデータ収集などに課題が残された。
- 筑波大学心身障害学系の論文
筑波大学心身障害学系 | 論文
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