<原著> M.C.ウィルの特殊教育批判と改革構想としての通常教育主導
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概要
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本論文は、アメリカ合衆国におけるインクルージョンの成立と展開を支えた社会的文脈を解明する研究の一環として、M.C.ウィル(Will,Madeleine C.1945-現在)の特殊教育に関する評価とその鍵となる概念を究明することを目的とする。ウィルは、1983年、アメリカ合衆国教育省特殊教育・リハビリテーション局(OSERS)担当の長官補佐に就任し、後に通常教育主導(REI)の主導者と評価されるようになる。ウィルの構想では、権利擁護や差別解消からの発想・立論と、教育改革に対する政策当事者としての現実的必要性がモザイク的に構成されていた。彼女のREI提唱は、前者の実現という目標と後者の実効的な方法とを両立させるものとして構想された。しかし彼女が直面した現実的課題は、学習困難問題にせよ、古典的かつ喫緊性ある移行問題にせよ、社会的・経済的な複合性をもっていた。また、これらの問題発生の源泉も単純ではなかった。
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